昨年度の発表論文について、紹介し損ねていましたので、簡単に紹介します。
その1は太田さんの論文です。大阪大学の関口清俊先生らとの共同研究です。
細胞培養をするうえで、細胞外マトリックスの選択は重要な問題ですが、血管内皮分化におけるマトリックスと分化能との関連については、最適化が十分ではありませんでした。ここでは、細胞外マトリックスのひとつラミニン411(LM411)注2)の組換えタンパク質断片(LM411-E8)が、ヒトiPS細胞から血管内皮細胞への高効率な分化誘導を促すことを報告しています。内皮細胞の機能評価について、今後も検討が必要だと思いますが、LM411-E8と新規開発した培養条件の組み合わせにより、大体90%程度の分化効率を得ることができますので、様々な応用ができるといいなと思っています。